こんにちは、有馬なりです。FIREを目指し投資をされている方は手に取られた方も多いと思いますが、「普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門」(著者の山崎俊輔さんは日経新聞にコラムを書いておられるファイナンシャルプランナー)を読んで、元共働きとして共感した点について紹介し、感じたことについても書きたいと思います。
ちなみに今KindleUnlimitedで読み放題になっているので、加入している方は是非ポチってパラパラと見てみてください。
目次
「普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門」本の構成
おおむね、以下のような内容でまとめられています。
- FIREとは、米国版FIREと日本版FIREの違い
- 何歳でFIRE実現可能か。40代、50代、プチFIRE(定年5年前)の3パターン
- やりかたは「もっと稼ぎ、1円でも節約し、投資すること!」
- FIREを実現するためのその他必須知識(年金や健康保険など社会保障制度と、ライフプランニングスキル)
- FIRE 3パターンごとの具体的やり方
- FIREした後に注意すること
冒頭にある言葉がほんとに「その通り」って感じです。堅実に家庭・家計を運営していこうと思っている人にこそ読んでほしい。
FIREとはライフプランニングとリタイアメントプランそのもの
普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門 より
上記にリストした項目のうち響いたところについて、触れていきたいと思います。
何歳でFIREを実現できるか 40代、50代、定年5年前の3パターン
FIREが”Financially Independent, Retire Early” (経済的自立を果たし早くリタイアする)と意味する以上、早くリタイアしたい人が多いと思います。が、著者の山崎さんは
「40代でリタイアするということは、それだけ年金受給額が大幅にダウンする分を貯蓄でカバーしなければいけない、収入のかなりな部分を貯蓄・投資につぎこまなければいけない」とハードルの高さを指摘します。
一方、定年5年前といった「プチFIRE」だと、5年分の生活費を確保すればよく、退職金も年金受給額もより満額に近づくため、リスクが低いといいます。50代はその中間ですね。
著書で触れられるFIREに必要な金額の前提条件として、
- FIRE達成時に持ち家を確保し住宅ローン完済
- FIRE達成時に子供の教育資金も準備完了していること
- FIREしてからの生活費を年400万円と試算していること
とされていることにご留意ください。もちろん、個人の環境や状況で考慮すべき出費やライフイベントがあれば、織り込んで計算する必要があります。
以上から、この本の中では「プチFIREか50代FIREを目標にスタートし、余力があれば早めてみること」を推奨しています。また山崎さんは日経のコラム 「夢を現実に 1億円なくても早期リタイアは可能 日本版FIREを考える(1)」で「50代でのFIREが、20代から30年間の投資期間があり、引退後の余生も長すぎず、仕事からの逃げでもない年齢でまだ体力も気力もあり、次のことに取り組める年代ではないか」という趣旨のことを述べられています。
- 40代FIREには8000万円~9000万円
- 50代FIREには7000万~9000万円
- 定年5年前プチFIREには4000万円
ちょっと想像もつかない金額だけど、なんでこんなにいるの?
上記金額の計算根拠も少し紹介しましょうか。
定年5年前のプチFIREですと、5年分の生活費400万x5年=2000万円と老後2000万円で4000万円 と試算されています。わかりやすいですね。
一方40代FIREだと、40歳から65歳まで25年間分の400万円x25=1億円+老後4500万円!(早い退職により年金の受給額が半分程度にダウンする為、バッファー分)で1億4500万円必要と試算。
但し、40歳から25年間、年4%で運用を継続しながら資産の取り崩しを行い、65歳時点で4500万円を残す前提で、40代で8000万円あればよしとする。
とはいえ、22歳で就職し40歳でFIREするには18年間しかないため、年100万程度の積み立てでは無理であるため、積極的なキャリアアップ年収UP、可能なら30代途中で年収1000万円を目指すこと ともあります。
年5%の利率で計算すると、毎月17万円の積み立てが必要と出ました。(新生銀行の積立シュミレーションにて計算)
パターンごとに月いくら何年積み立てるか、といったことも細かく書かれていますので、詳しくは本を参照してくださいね。
FIREのやり方は「もっと稼ぎ、1円でも節約し、浮いたお金を投資に回す」
これって家計管理そのものですよね。それぞれのハウツーも細かに紹介されているので、ぜひ本で確認してみてください。
FIREしたいのであれば、真剣に会社の昇格昇給ルールを読み込み昇格昇給を狙うべきであり、その会社が割に合わないのであれば転職を検討すべきである。副業については、体力と時間を対価にするものはおすすめしないとしています。
共働きについては、以前「サイドFIREに向けてやったこと 夫婦とも正社員共働きの継続」でも山崎さんの「『非正規雇用』という会社側の調整弁になってはいけない」というコメントを紹介しました。
もちろん先日【読んだ本】「なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造」で触れたように、女性が正社員を継続するには夫の長時間労働や転勤、母親に期待される学校や家庭での役割など沢山のハードルがありますが、夫婦でFIREを目指すのであれば、夫婦のキャリア、家事育児の分担を一緒に助け合っていく必要がありますね。
詳細は本を読んでいただきたいですが、固定費削減はスマホの格安プラン、電力会社見直し、使ってないサブスクやジム会費、車など。持ち家についてや保険の見直しも後半の章で触れられています。
家計簿アプリを活用した収支の見える化については下記で触れています。
口座管理の自動化についても、有馬家のやり方とわりと似ていますのでご参考まで。
この項では、山崎さんは「低コストのバランス型インデックスファンドの長期積立投資」が「普通の人には十分」で、「iDecoとNISAを満額まで利用すること」を推奨されています。個別株については部分的な運用にとどめ、FX、不動産投資という手法については多くは大損で終わると述べられています。
FIREを実現するためのその他必須知識
私的には一番響いたポイントですが、一人ひとり違う人生の環境や条件のもと、着実にお金をやりくりしていく為に必要なのが、「マネーリテラシーとプランニングスキル」とあり、本にあった具体例の一部として
・民間保障(生命保険など)は払いすぎない
・住宅購入とローン設定で失敗しない
・結婚する時片働きにならない
・学費、介護負担を計画的に・適切に準備・設定する
上記はうなずくばかり。そして、
・兄弟姉妹の借金は安易に背負わない
・そして自分がお金をしっかり貯めていることはできるだけ伏せる
上2つは、なるほどなぁです。「お金を持っている」と思われることは揉めるもと、ってことですね。
また、自分の属性に合わせたシュミレーションは必須ですので、ライフプランシュミレーションで紹介したツールもぜひ使ってみてください。
個人的に考えたこと。共働きからFIREした後の暮らしについて
「1円でも多く節約する」 という章の中で、「FIRE後も節約は続く」という項があり、色々考えていました。
みなさんが思い描く「FIRE後の暮らし」ってどんなものでしょうか?
・・この本や一般的なFIRE本で紹介されているのは、比較的質素な暮らしで自由を手に入れるので、「大金持ち」にはなりませんが、一応私なりに「理想の暮らしってなんだろう」ということを考えてみました。
豪邸に住んでリゾート別荘を持つ優雅な暮らし?
それって掃除は自分でしたくないよね?
料理は誰かしてくれるの? 自分の理想とする栄養バランスで作ってくれる人の管理はめんどくさいな・・
子供の世話は必要だよね。
豪邸に住んでも子供はそのうち出ていく。
毎日美味しいものを食べる?健康を考えると毎日美味しいものを食べるには限界がある。
私の場合、海外で比較的広い家に住んでいたこともあったのですが、優雅な暮らしにはなりませんでした。ホテル暮らしでもしないかぎり自分は綺麗にインテリアを整えたりしないし、整理整頓も苦手だからです。お掃除メイドさんに来てもらったこともありましたが、人を使うのは結構気を遣うし妥協が必要でした。
大金持ちになりたいというハングリー精神や事業を起こしたいビジョンがある方はともかく、私を含む多くの人にとっては平和に「好きなことに時間を使える」日々が幸せなのかなぁと。
そういう意味では、自分自身がある程度仕事で成果や達成感を得てからFIREを目指すのでも、十分遅くはないのでは と思います。
冒頭の写真は子供が友達と親なしで行ってきた九州旅行のお土産です。超ささやかな幸せ(笑)
では、今日はこの辺で。お役にたてたら光栄です。
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では皆さん、良い一日を!