こんにちは。本日はFIREも投資も関係なく、最近読んだ本についてつらつらと感想など。
子供の勉強を見ていて教材に出てきたのが 太宰治の「思い出」。(青空文庫にありましたので、無料で読めます)
太宰治と言えば「走れメロス」や「人間失格」が有名ですよね。高校生の頃、国語便覧に載ったニヒルにポーズを取る写真を見て少しはかっこいいと思った記憶があります。
本を読むには「適切な年齢やタイミング」があるかもしれません。
そういう意味では、太宰治にどっぷりハマるには、悩み多き年代の方がいいのかなと思いました。
「人間失格」を読んだのは30代半ば、すでに子供もいて、フルタイム共働きの傍らおかん業をバリバリとこなしていた頃です。
ぐだぐた悩んでは女性と関係をもって、自分に稼ぎがない割りに女性に理想の美を求め続け、女性関係にだらしない主人公に「典型的なダメ男やな~」と思った記憶があります
(個人の見解です)
で、久々に「思い出」という短編を読むことになりました。これは太宰治の自伝で、裕福な家庭に育った「私」が下女の「みよ」に恋し、あれこれ悩みながら状況が移っていく という話です。
小学校高学年の子供には少し早いかな?という表現もありましたが、全般的には本人の悩みがメインでした。
感想としては
・自意識過剰すぎ
・相手の気持ちを推し量る描写がゼロ
・まぁ思春期だからしゃーないね
でした。例えば、
・プライドが高すぎて褒められたくて、小学校の作文で、雑誌の文章を丸パクリして賞を取る (うちの子のコメント「何か貰える訳でもないのに褒められたいだけで嘘つくって意味がわからない」)
・女のことで思い悩む自分を「凡庸だ」と自覚しつつ、いや違う自分は上等な人間だ、と思いたがる。その理由として「身分の違う下女と結婚したいと親と論争することは『デモクラシー』という思想に基づいた立派なことだ」という理由をつけて「いや、私には思想がある!」という。(結局告白すらしないで終わる)
・ブドウ畑にブドウを摘みに行って、手をケガしたみよにぶっきらぼうに薬を渡しただけで「みよに強烈な思い出を残してやった」とほくそ笑む
とか、そんな感じです。
一方で文章の前半で「自分にはこの悩みを言語化して生きていくほかないのだ」と、作家になろうと決心するくだりがありました。
文章は本当にスッと入ってくる表現で、だからこそ、この人の心の「内省垂れ流し」の恩恵を受けている人は後世に沢山いるのでしょうね。やはり天職だったのだなぁとも思います。
事実、「なぜ太宰治は人気があるのか」についていくつも考察があり、
・「人の目を気にして道化を演じていながら愛されたいと願う自分」が響くのでは、という意見がありました。
太宰治の『人間失格』は、なぜ現代人の心に刺さるのか【三分で読める名作劇場 #1】
太宰治がなぜブームなのか? (Imidas 常識を疑え!/精神科医 香山リカさんのコラム)
そのあとも「斜陽」(こちらはKindleUnlimitedで)を読みましたが、やはり女性目線からすると「上品な少女や女性の目線で考えたこととして文章を書いているが、ところどころ男性目線がはいってて醒める」
という感想でした。
(例:縁側から眺める海の描写で「わたしのお乳の高さに水平線が」に、「女性はそれ言わんやろ」と突っ込んでしまう)
例2:いよいよ困窮した女性が妻子のいる飲んベえの画家との恋愛を成就させて生活していこうと試みる事に、「そんなチョイスせえへんから」と突っ込んでしまう)
等
太宰治を読んだあとにちきりん(ご存じかな~ 社会派ブロガーとして人気です)のVoicyを聞くと、異世界に転生したような気持ちになりました。
やはり「自立」って大事ですね、うん。
つらつらと書いてしまいましたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。そして「太宰治のいらすと」まであるいらすとやさんに感謝します。
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皆さん良い一日を!